
『はいからさんが通る』や『今夜、ロマンス劇場で』を観て、「この作品の雰囲気が好き」と感じた方も多いのではないでしょうか。
その“好き”をたどっていくと、浮かび上がってくる演出家の一人が小柳奈穂子です。
小柳奈穂子は、漫画・映画・演劇といった既存作品の魅力を生かしながら、宝塚歌劇らしい華やかさやスターの個性を舞台へ落とし込むことに長けた演出家です。
原作ファンにも宝塚ファンにも届く作品づくりを強みとし、『はいからさんが通る』『天は赤い河のほとり』『今夜、ロマンス劇場で』『阿修羅城の瞳』『侍タイムスリッパー』など、幅広い題材を舞台化してきました。
1999年入団、2002年月組『SLAPSTICK』で演出家デビュー、2011年星組『めぐり会いは再び』で宝塚大劇場デビュー。
以後は原作ものだけでなく、『めぐり会いは再び』シリーズや『GOD OF STARS-食聖-』のようなオリジナル作品でも存在感を発揮しています。
この記事では、小柳奈穂子とはどんな演出家なのかを知りたい方に向けて、経歴・代表作・作風を整理しながら、ファンが注目したい見どころまで詳しく紹介します。
※プロフィール・公演・映像商品・配信情報は2026年9月8日時点で確認しています。
宝塚歌劇の演出家全体について知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
宝塚歌劇の演出家一覧|代表作・作風・特徴を解説【2026年版】
小柳奈穂子とは?原作作品の舞台化でも知られる宝塚歌劇の演出家
小柳奈穂子は東京都出身。1999年に宝塚歌劇団へ入団した演出家です。
2002年月組『SLAPSTICK』で演出家デビューし、2011年星組『めぐり会いは再び』で初めて宝塚大劇場作品の作・演出を担当しました。
小柳奈穂子のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 小柳奈穂子 |
| 出身 | 東京都 |
| 宝塚歌劇団入団 | 1999年 |
| 演出家デビュー | 2002年月組『SLAPSTICK』 |
| 大劇場デビュー | 2011年星組『めぐり会いは再び』 |
宝塚歌劇公式プロフィールでは、『アメリカン・パイ』『シャングリラ -水之城-』『アリスの恋人』など多彩なジャンルの作品を発表した後、『めぐり会いは再び』で大劇場デビューした経歴が紹介されています。
さらに2013年・2018年の台湾公演にも携わり、『Shall we ダンス?』『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』『幕末太陽傳』『はいからさんが通る』など、映画・漫画を原作とする作品でも存在感を高めていきました。
小柳奈穂子を単純に「原作ものが得意な演出家」と捉えるだけでは、その特徴を十分には説明できません。
原作がある作品では原作の核を見極め、オリジナル作品では出演するスターの個性を見極め、それを「宝塚歌劇として魅力的な舞台」へ組み立てていく。
この点が、小柳作品を理解する重要なポイントです。
小柳奈穂子の経歴|1999年入団から現在まで
2002年『SLAPSTICK』で演出家デビュー
小柳奈穂子の演出家デビュー作は、2002年月組『SLAPSTICK』です。
創世期のハリウッドを舞台に、映画制作へ情熱を注ぐ人々を描いた青春群像劇でした。
翌2003年には、萩尾望都の漫画を原作とする雪組『アメリカン・パイ』を担当。
キャリア初期から、オリジナル作品だけでなく漫画作品の舞台化にも取り組んでいたことが分かります。
2011年『めぐり会いは再び』で宝塚大劇場デビュー
2011年には星組『めぐり会いは再び』で宝塚大劇場デビューを果たします。
架空の王国を舞台にしたラブコメディで、2012年には続編『めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~』が上演。
→ RakutenTVでめぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~(’13年星組・東京・千秋楽)を視聴する
さらに10年後の2022年には、礼真琴演じるルーチェを主人公とした第3作、『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』へ物語が受け継がれました。
小柳奈穂子は公式インタビューで、第1作について、「ビジュアルの新鮮さ」「宝塚らしいストーリー」「役者主導」という3つの要素が特徴だったと振り返っています。
宝塚歌劇公式|『めぐり会いは再び next generation』小柳奈穂子インタビュー
この「役者主導」という考え方は、その後の小柳作品にもつながっています。
小柳奈穂子の代表作一覧
小柳奈穂子のキャリアを理解するうえで、押さえておきたい主な作品をまとめました。
| 年 | 作品 | 組 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 2002 | 『SLAPSTICK』 | 月組 | 演出家デビュー |
| 2003 | 『アメリカン・パイ』 | 雪組 | 漫画原作 |
| 2010 | 『シャングリラ』 | 宙組 | オリジナル |
| 2011 | 『めぐり会いは再び』 | 星組 | 大劇場デビュー |
| 2013 | 『Shall we ダンス?』 | 雪組 | 映画原作 |
| 2015 | 『ルパン三世』 | 雪組 | 漫画・アニメ原作 |
| 2017 | 『オーム・シャンティ・オーム』 | 星組 | インド映画原作 |
| 2017 | 『幕末太陽傳』 | 雪組 | 映画原作 |
| 2017・2020 | 『はいからさんが通る』 | 花組 | 漫画原作 |
| 2018 | 『天は赤い河のほとり』 | 宙組 | 漫画原作 |
| 2018 | 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』 | 星組 | 人形劇原作 |
| 2019 | 『GOD OF STARS-食聖-』 | 星組 | オリジナル |
| 2022 | 『今夜、ロマンス劇場で』 | 月組 | 映画原作 |
| 2022 | 『めぐり会いは再び next generation』 | 星組 | シリーズ第3作 |
| 2023 | 『鴛鴦歌合戦』 | 花組 | 映画原作 |
| 2025 | 『阿修羅城の瞳』 | 星組 | 劇団☆新感線原作 |
| 2026 | 『侍タイムスリッパー』 | 月組 | 映画原作 |
| 2026 | 『波うららかに、めおと日和』 | 雪組 | 漫画原作 |
こうして並べてみると、少女漫画、昭和映画、ボリウッド映画、現代映画、時代劇、ファンタジー、コメディまで、題材の幅が非常に広いことが分かります。
小柳奈穂子の作風・演出の特徴5つ
1.原作の魅力を尊重する
小柳作品の大きな特徴が、原作そのものへのリスペクトです。
2020年花組『はいからさんが通る』の公式インタビューでは、小柳奈穂子自身も漫画を数多く読んで育ったことに触れながら、原作ファンが舞台版を観た際にも違和感を覚えないよう意識していることを語っています。
単に有名な場面を再現するのではなく、「この作品は何が魅力なのか」を見極めたうえで舞台化していることがポイントです。
2.原作を「宝塚歌劇の文法」へ翻訳する
原作をそのまま舞台へ持ってくるだけではありません。
小柳作品では、
- 男役スターの見せ場
- 華やかな衣装
- 歌
- ダンス
- 群舞
- デュエット
- 大階段
- フィナーレ
など、宝塚歌劇ならではの要素へ物語を再構築します。
『幕末太陽傳』の公式インタビューでも、小柳奈穂子は映画を舞台化する際に「ミュージカル的」であることと、宝塚らしく再構成することを意識したと語っています。
3.スターの個性を生かした「当て書き」
小柳作品を理解するうえで欠かせないのが、出演者の個性を役へ反映する「当て書き」です。
2022年『めぐり会いは再び next generation』について、小柳奈穂子はかなり当て書きをしていることを明かしています。
礼真琴、舞空瞳をはじめ、出演する星組生の持ち味を役柄へ落とし込んでいました。
そのため小柳作品を見るときは、
「このキャラクターは、このスターだからこそ生まれたのでは?」
という視点を持つと、作品をさらに深く楽しめます。
4.コメディと親しみやすい娯楽性
『めぐり会いは再び』『GOD OF STARS-食聖-』『幕末太陽傳』など、小柳作品にはコメディ作品も少なくありません。
小柳奈穂子は『幕末太陽傳』のインタビューで、映画やライブへ行くような感覚で気軽に観られる芝居を宝塚歌劇から発信したいという考えも語っています。
重厚な作品だけではなく、「宝塚を初めて観る人でも入りやすいエンターテインメント」を意識していることも、小柳作品の一つの特徴です。
5.恋愛と人物の感情を丁寧に描く
一方、コメディだけではありません。
『今夜、ロマンス劇場で』や『川霧の橋』などでは、登場人物の心情や人物同士の距離が変化していく過程を丁寧に描いています。
原作作品でも「名場面を次々再現する」という構成ではなく、
「なぜ二人が惹かれ合ったのか」
「なぜ人物がその選択をしたのか」
を追いやすい舞台になっていることが、小柳作品の魅力です。
スターの魅力をどう引き出す?小柳奈穂子とタカラジェンヌ
小柳作品をさらに深く楽しむなら、演出家とスターの組み合わせにも注目したいところです。
紅ゆずる×小柳奈穂子|長年のタッグから生まれた『GOD OF STARS-食聖-』
特に関係が深いスターの一人が、元星組トップスター・紅ゆずるです。
紅ゆずるは、
- 『めぐり会いは再び』
- 『怪盗楚留香外伝-花盗人-』
- 『オーム・シャンティ・オーム』
- 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』
- 『GOD OF STARS-食聖-』
など複数の小柳作品に出演しました。
宝塚歌劇公式サイトには、実際に「紅ゆずる×小柳奈穂子」という特集ページも設けられています。
小柳奈穂子は紅ゆずるについて、端正なスター性だけでなく、客席とのコミュニケーションやコメディセンスを大きな魅力として評価しています。
そして退団公演『GOD OF STARS-食聖-』では、その個性を前面に押し出しました。
「作品にスターを当てはめる」のではなく、「このスターだからこそ、この作品を作る」という小柳作品の特徴が最も分かりやすい例の一つです。
早霧せいな×小柳奈穂子|お披露目と退団、両方の節目を担当
元雪組トップスター・早霧せいなも重要です。
2015年の大劇場トップお披露目公演は、小柳奈穂子が脚本・演出した『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』。
そして2017年の退団公演では、小柳奈穂子が『幕末太陽傳』を担当しました。
トップスターとしての始まりと終わり。
その両方を同じ演出家が担当したという点は、小柳奈穂子と早霧せいなの関係を振り返るうえでも興味深いポイントです。
柚香光×『はいからさんが通る』|初演からトップお披露目へ
柚香光主演『はいからさんが通る』も、小柳作品の再演を考えるうえで重要です。
2017年にシアター・ドラマシティ、日本青年館ホールで初演。
その後2020年には、花組トップスターとなった柚香光の大劇場お披露目公演として再演されました。
同じ主演スター、同じ原作でも、「別箱公演から大劇場作品へ」スケールアップすることで作品そのものも変化しています。
トップスターのお披露目・退団公演から見る小柳作品
宝塚ファンにとって、トップスターのお披露目や退団公演は特別な意味を持ちます。
小柳奈穂子は、そうしたスターの節目となる作品も複数担当しています。
| スター | 作品 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 早霧せいな | 『ルパン三世』 | 大劇場トップお披露目 |
| 早霧せいな | 『幕末太陽傳』 | 退団公演 |
| 柚香光 | 『はいからさんが通る』 | 大劇場トップお披露目 |
| 紅ゆずる | 『GOD OF STARS-食聖-』 | 退団公演 |
| 朝美絢・音彩唯 | 『波うららかに、めおと日和』 | 新トップコンビお披露目 |
スターにとって大きな節目となる作品を見るとき、
「そのスターらしさを、演出家がどのように舞台へ残したのか」
に注目すると、作品を見る楽しみがさらに広がります。
原作ものはどう「宝塚化」される?小柳作品を比較
小柳奈穂子作品を見る面白さの一つが、原作と宝塚版の違いを比較することです。
漫画→宝塚|『はいからさんが通る』
漫画ではコマや台詞で表現されていた世界が、宝塚版では、
- 軍服姿の男役
- 歌
- ダンス
- 大人数による舞台
- フィナーレ
へと変換されます。
特に大劇場版では、舞台本編だけでなく宝塚らしいフィナーレが加わることで、
「原作の舞台化」から「宝塚作品」へ
一段階変化しています。
映画→宝塚|『今夜、ロマンス劇場で』
映画ではカメラワークや映像編集によって表現できる場面も、舞台では別の方法で見せる必要があります。
その一方、舞台版ではスターが観客の目の前で演じるライブ感や、歌・ダンスを加えることができます。
映画版を観た後に宝塚版を見ると、「映画的な場面を舞台上でどう置き換えたのか」を見るのもおすすめです。
映画→宝塚|『侍タイムスリッパー』
2026年月組『侍タイムスリッパー』も、小柳奈穂子が映画を宝塚へ変換した作品です。
安田淳一監督による映画を原作に、小柳奈穂子が脚本・演出を担当。鳳月杏、天紫珠李を中心とした月組によって上演されました。
演劇→宝塚|『阿修羅城の瞳』
2025年星組『阿修羅城の瞳』では、さらに違った挑戦が行われました。
原作は劇団☆新感線の代表作。
原作演出をいのうえひでのり、小柳奈穂子が潤色・上演台本・演出を担当し、劇団☆新感線と宝塚歌劇による初のコラボレーション作品として上演されました。
漫画、映画、演劇。
原作の表現方法が変われば、宝塚化する方法も変わります。
この違いを見比べることが、小柳作品を楽しむ醍醐味の一つです。
同じ作品でも再演で変わる|『はいからさんが通る』『めぐり会いは再び』
小柳作品では、「一度完成した作品をそのまま再演する」のではなく、劇場やスター、組の変化に合わせて作品そのものが変化するケースがあります。
『はいからさんが通る』|別箱から大劇場へ
2017年版は、シアター・ドラマシティと日本青年館ホールで上演。
2020年版では、柚香光・華優希の花組新トップコンビ大劇場お披露目作品として再構成されました。
同じ主演・同じ原作でも、大劇場ならではのスケールとフィナーレが加わっています。
『めぐり会いは再び』|出演者の成長そのものが物語になる
さらに興味深いのが『めぐり会いは再び』シリーズです。
2011年第1作で、礼真琴は主人公ではありませんでした。
しかし2022年の『next generation』では、その礼真琴がかつて演じたルーチェが成長し、主人公となっています。
タカラジェンヌの成長と作品世界の時間経過が重なる。
これは同じ組で長期間シリーズを続けられる宝塚歌劇だからこそ成立する面白さです。
アジア・海外文化を宝塚へ|小柳奈穂子のもう一つの特徴
小柳作品には、アジアを題材とした作品も複数あります。
代表的なのが、
- 『怪盗楚留香外伝-花盗人-』
- 『オーム・シャンティ・オーム』
- 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』
- 『GOD OF STARS-食聖-』
です。
2018年『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』は、日本公演に加えて台湾・台北と高雄でも上演されました。
宝塚歌劇公式|2018年台湾公演『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』
また、『オーム・シャンティ・オーム』ではインド映画を宝塚歌劇として舞台化しています。
「少女漫画の舞台化」というイメージだけではなく、
異なる国・文化・エンターテインメントを宝塚の世界へ取り込むこと
も、小柳奈穂子のキャリアを考えるうえで注目したいポイントです。
ヒャダインとのコラボも|外部クリエイターを宝塚へ
小柳奈穂子は外部クリエイターとのコラボレーションにも取り組んでいます。
その代表例が、2019年星組『GOD OF STARS-食聖-』です。
音楽クリエイター・ヒャダインとの宝塚歌劇初コラボレーションが実現し、プロローグなどの楽曲制作を担当しました。
宝塚歌劇公式サイトによると、このコラボレーションは小柳奈穂子からの働きかけによって実現しています。
演出家の役割を、脚本や舞台演出だけで考えるのではなく、
作品に合うクリエイターを組み合わせ、作品全体を作る
という視点で見ると、小柳奈穂子の仕事の別の側面も見えてきます。
2025~2026年の小柳奈穂子作品
近年も、小柳奈穂子は原作の異なる作品を次々と手掛けています。
2025年星組『阿修羅城の瞳』
劇団☆新感線の『阿修羅城の瞳』を宝塚歌劇で舞台化。
礼真琴主演で、小柳奈穂子が潤色・上演台本・演出を担当しました。
原作の持つダイナミックな世界観と、星組トップスター礼真琴の集大成となる時期が重なった作品でもあります。
2026年月組『侍タイムスリッパー』
安田淳一監督の映画『侍タイムスリッパー』を原作に、鳳月杏主演で上演。
脚本・演出を小柳奈穂子が担当しました。
映画原作を宝塚ミュージカルへ変換する、小柳作品らしい一作です。
2026年雪組『波うららかに、めおと日和』
西香はちによる漫画『波うららかに、めおと日和』をミュージカル化。
小柳奈穂子が脚本・演出、雑賀ヒカルが演出を担当し、朝美絢・音彩唯による雪組新トップコンビのお披露目公演として上演されました。
2025~2026年だけを見ても、
演劇 → 映画 → 漫画
と異なる原作を続けて舞台化していることが分かります。
初めて小柳奈穂子作品を観るなら?おすすめ5作品
1.『はいからさんが通る』
漫画原作の「宝塚化」を知りたい人に最もおすすめです。
原作の世界観と宝塚歌劇ならではのスター性・フィナーレの両方を楽しめます。
2.『めぐり会いは再び』シリーズ
オリジナル作品と当て書きを知りたい人におすすめ。
スターの成長と作品世界そのものがつながっていくシリーズです。
3.『今夜、ロマンス劇場で』
ロマンチックな作品が好きな人におすすめ。
映画版との比較もしやすく、小柳作品の人物心理の描き方が分かりやすい作品です。
4.『GOD OF STARS-食聖-』
スターへの当て書きとコメディを楽しみたい人におすすめ。
紅ゆずるというトップスターの魅力を生かして作られた作品として、小柳奈穂子の創作スタイルを理解しやすい一作です。
5.『阿修羅城の瞳』
近年の大規模な原作作品を観たい人におすすめ。
劇団☆新感線の作品を、宝塚歌劇がどう再構成したのかに注目してみてください。
小柳作品をもっと楽しむ5つの注目ポイント
すでに何作か観たことがあるファンなら、次回は次の5点に注目してみるのがおすすめです。
1.原作の「何を残したか」
ストーリーをどこまで再現したかだけではなく、
原作の魅力の中心をどこに置いたか
を見ると、舞台化の意図が分かりやすくなります。
2.スターに合わせて作られた役はどこか
オリジナル作品では特に、
「この台詞、このキャラクターは本人の個性から生まれたのでは?」
という視点で観ると面白さが増します。
3.原作にない「宝塚ならではの場面」
歌、ダンス、群舞、デュエット、フィナーレなど、
原作には存在しないのに宝塚版では重要になった場面
を探してみてください。
4.主演以外のキャラクター
小柳作品では、主演スターだけではなく個性的な脇役が配置されることがあります。
二番手・三番手や別格スター、若手まで見ると、作品全体の面白さがより見えてきます。
5.再演で何が変わったか
再演作品では、
- 主演スター
- 組
- 劇場
- 上演時間
- フィナーレ
- キャラクター
の変化にも注目です。
「どちらが良いか」ではなく、
なぜ今回、この形へ変えたのか
を考えながら観ると、演出家という視点から宝塚を楽しめるようになります。
小柳奈穂子作品を配信・Blu-rayで観る方法
演出家の作風を理解するには、複数の作品を続けて観るのが最も分かりやすい方法です。
配信で宝塚作品を観る
宝塚歌劇では、U-NEXTやRakuten TVなどでライブ配信や過去作品の配信が行われることがあります。
作品ラインナップは時期によって変わるため、最新の配信状況を確認してください。
▼ 宝塚歌劇をU-NEXTでチェックする
※ライブ配信は月額プランとは別に視聴券の購入が必要な公演があります。
今後のライブ配信予定はこちらの記事で随時更新しています。
2026年 宝塚ライブ配信スケジュール|今後の公演・料金・視聴方法
Blu-rayで繰り返し観る
好きな作品を何度も見返したい人にはBlu-rayが向いています。
たとえば『阿修羅城の瞳』『エスペラント!』Blu-rayは2025年7月31日に発売。公式価格は11,000円(税込)です。
キャトルレーヴ公式|『阿修羅城の瞳』『エスペラント!』Blu-ray
2026年の『波うららかに、めおと日和』もBlu-ray化されています。
▼ 朝美絢・音彩唯の新トップコンビお披露目公演を映像で
楽天ブックスで『波うららかに、めおと日和』Blu-rayを見る
そのほか、現在発売・予約受付中の宝塚映像作品はこちらでまとめています。
宝塚歌劇Blu-ray・DVD予約受付中まとめ【2026年最新】
原作を読んでから宝塚版を見るのもおすすめ
小柳作品は、原作と宝塚版を比較すると演出の特徴がさらに分かりやすくなります。
特に、
- 『はいからさんが通る』
- 『天は赤い河のほとり』
- 『波うららかに、めおと日和』
などは、原作漫画を読んだうえで舞台を見ると、
「残した場面」
「変更した場面」
「宝塚版で新しく加えられた魅力」
を比較できます。
映画原作なら、『今夜、ロマンス劇場で』『幕末太陽傳』『侍タイムスリッパー』なども同様です。
宝塚以外・関連公演での演出
小柳奈穂子は宝塚歌劇の本公演だけでなく、宝塚OGが出演する関連公演にも携わっています。
代表例が、2021年に上演された
『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』
です。
小池修一郎が構成・演出・訳詞、小柳奈穂子が演出を担当しました。
小池修一郎について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
小柳奈穂子についてよくある質問
小柳奈穂子はいつ宝塚歌劇団に入団しましたか?
1999年です。宝塚歌劇公式プロフィールでも確認できます。
演出家デビュー作は何ですか?
2002年月組『SLAPSTICK』です。
創世期のハリウッドを舞台にした青春群像劇でした。
宝塚大劇場デビュー作は何ですか?
2011年星組『めぐり会いは再び』です。
翌年には続編、2022年には第3作『めぐり会いは再び next generation』が上演されています。
小柳奈穂子の代表作は?
『めぐり会いは再び』『はいからさんが通る』『天は赤い河のほとり』『GOD OF STARS-食聖-』『今夜、ロマンス劇場で』『阿修羅城の瞳』などがあります。
小柳奈穂子の作風は?
原作作品では、原作の世界観を尊重しながら、スターの魅力、歌・ダンス、フィナーレなど宝塚歌劇ならではの表現へ再構築することが特徴です。
オリジナル作品では出演者の個性を生かした当て書きも行っています。
オリジナル作品も手掛けていますか?
はい。『めぐり会いは再び』シリーズや『GOD OF STARS-食聖-』などがあります。
小柳奈穂子と紅ゆずるの関係は?
紅ゆずるは複数の小柳作品に出演しており、宝塚歌劇公式サイトでも「紅ゆずる×小柳奈穂子」という特集が制作されています。
退団公演『GOD OF STARS-食聖-』も小柳奈穂子が作・演出しました。
『はいからさんが通る』は再演作品ですか?
はい。
2017年に柚香光・華優希を中心に上演され、2020年には同じ二人による花組新トップコンビ大劇場お披露目公演として再演されました。
2026年の小柳奈穂子作品は?
月組『侍タイムスリッパー』、雪組『波うららかに、めおと日和』で脚本・演出を担当しています。
小柳奈穂子作品は配信で観られますか?
作品によります。
U-NEXT、Rakuten TVなどで宝塚作品の配信が行われることがあります。ラインナップは変動するため、視聴時点の各公式サービスで確認してください。
まとめ|小柳奈穂子は原作・スター・宝塚をつなぐ演出家
小柳奈穂子は1999年に宝塚歌劇団へ入団し、2002年『SLAPSTICK』で演出家デビュー、2011年『めぐり会いは再び』で宝塚大劇場デビューを果たしました。
その後、
『はいからさんが通る』
『天は赤い河のほとり』
『幕末太陽傳』
『今夜、ロマンス劇場で』
『阿修羅城の瞳』
『侍タイムスリッパー』
など、漫画・映画・演劇と幅広い原作を宝塚歌劇へと変換しています。
しかし、小柳作品の魅力は「人気作品を舞台化すること」だけではありません。
原作の魅力を見極める。
スター本人の個性を見つける。
その二つを、宝塚歌劇ならではの華やかなエンターテインメントへ変換する。
この3つの要素が重なっていることこそ、小柳奈穂子作品を理解する重要なポイントです。
さらに、
「紅ゆずるだから、この役なのでは?」
「2017年版と2020年版『はいからさんが通る』では何が変わった?」
「映画のこの場面を、舞台ではどう表現した?」
という視点を持つと、同じ作品でも新しい発見があります。
これまで宝塚を、
「スターで観る」
「組で観る」
「作品で観る」
ことが多かった方は、ぜひ次は、
「演出家で観る」
という楽しみ方も試してみてください。
ほかの演出家の代表作や作風も比較すると、小柳奈穂子ならではの特徴がさらに分かりやすくなります。





